Hopeで産学官連携をしませんか?産学官連携から生まれた新技術・新製品・新たなビジネスチャンスが、北海道活性化の可能性を拓きます Hopeで産学官連携をしませんか?産学官連携から生まれた新技術・新製品・新たなビジネスチャンスが、北海道活性化の可能性を拓きます

講師からのメッセージ~その1~

HoPE会員の皆様へ

                                        

お世話になっております。

3月例会でご講演頂く予定だった北口様よりメッセージを頂きましたので、皆様へお送りします。

新型コロナウイルス感染拡大が続く今、教訓としてぜひご一読頂けると幸いです。

どうぞ宜しくお願い致します。

                                 

                                     2020年5月26日

                                     一般社団法人北海道中小企業家同友会

                                     産学官連携研究会HoPE

北海道中小企業家同友会へのメッセージ

「 再生可能エネルギーの活用と省エネに関する道総研の取組み 」

 講師:地方独立行政法人北海道立総合研究機構

          産業技術環境研究本部エネルギー・

            環境・地質研究所資源エネルギー部

    研究参事 北口 敏弘 氏 

 

 2018年の北海道胆振東部地震では、苫東厚真火力発電所の事故による全道的な停電(いわゆるブラックアウト)が発生しました。北海道内の電気は7割以上を火力発電によって賄われており、その中でも最も多くの電力を苫東厚真火力発電所が担っていました。このブラックアウトにより、集中型電源の脆弱性が露呈し、エネルギーの地域分散、エネルギー源の多様化、エネルギー自給率の向上の必要性が改めて認識されたところです。

 北海道は広大な土地を有しており、再生可能・未利用エネルギー資源のポテンシャルが高いといった特徴があります。木質バイオマスや一次産業から産出される廃棄物系バイオマスなどの豊富なエネルギー資源の活用を進めることで、エネルギーの地域分散化、多様化、自給率の向上を図ることができます。             そればかりでなく、これまで地域外から購入していた重油などの燃料を地域内のバイオマス等で代替できることとなり、地域の域際収支の改善や新産業の創出が期待できます。また、これによって二酸化炭素排出量の抑制にもつながります。

 道総研では、「再生可能エネルギーなどの利活用と循環型社会の構築」を研究の柱として位置づけています。上記課題の解決に向けて戦略研究「エネルギー」として、どこに何のエネルギー源があるか、どこでどれくらい使用されているか等の情報を地理情報システム(GIS)に組込み、インターネットによって誰もがすぐに調べられるような支援ツールの開発(第Ⅰ期)を行いました(http://www.hro.or.jp/research/develop/system/gisene1.html)。また、実際の市町村が抱えている課題として、街区の省エネ化、木質バイオマスの利用拡大などの再エネ利活用、温泉熱・温泉付随可燃ガス利用技術開発などの未利用資源の活用について技術開発を行うとともに、これらの技術・システムの導入過程をまとめ、他地域への展開を図れるような取り組み(第Ⅱ期)を昨年度から5年間の計画で行っております。これまでに安価でエネルギー消費の少ない木質材の乾燥方法や、地中熱利用方法として井戸方式のコスト的な優位性を明らかにするなどの成果が上がりつつあります。

 今後、道総研ではエネルギーのトータルコーディネート機能を強化することによって、省エネルギーの推進や再生・未利用エネルギーの効率的な利活用が図れるよう技術・システム開発に努めて参りますので、これまでと同様に皆様方のご支援、ご協力等賜りますようお願いいたします。